始まりました、株式会社大平がお送りする「地方から考察ラジオ」。今回のテーマは「SNSでバズることの価値が下がっているのではないか」というお話です。
私もSNSマーケティングに携わり始めて約7〜8年。その中で合計70万人近くのフォロワー獲得の支援や運用をしてきましたが、最近「バズる」ということの価値が下がっているなと感じたタイミングがありました。今回はその件について深掘りしていきます。
目次
なぜ「バズの価値が下がった」と感じたのか
いろいろな企業さんのご支援をしている中で「バズらせたい」という声は結構多いんです。バズの定義を「拡散されてインプレッションや再生回数がかなり跳ね上がること」だとすると、価値が下がっているというよりは「コスパが悪くなっていないか」ということが今回のきっかけでした。
7年前、6年前はまだYouTuberという言葉も出始めぐらいの時期。例えば100万再生、200万再生を達成すれば、それだけで一気にチャンネル登録者が増えたり、Instagramのフォロワーが何万人と増えたりしていました。
しかし最近、100万再生はもちろんすごい数字ではあるものの、珍しくなくなってしまった。以前の100万再生の価値と比べると、皆さんも「100万再生いきました」という言葉を見ても、それほど驚かないのではないでしょうか。
つまり、価値がすごいことであるにもかかわらず、消費者側の目が慣れてしまった結果、昔ほど「この人すごい」と思われづらくなってしまっている状況があるのではないかと思います。
ショート動画の登場が大きな要因
その大きな原因の一つがショート動画の登場です。長尺の動画で100万再生を取ることは今でもかなり難しいですが、ショート動画では100万再生に到達するケースが割とあります。それによって数字の価値に対する感覚が慣れ始めている、ということが一つあるのではないでしょうか。
コストとリターンのバランスが崩れている
それ以上に重要なのが、企業側の運用担当の目線で見たときの話です。バズを狙うことにかかるコストと得られるリターンのバランスが崩れてきていないか、ということです。
皆さんが目にしているInstagramやYouTubeのショート動画・長尺動画は、そもそもクオリティが非常に高く、すでに多くのユーザーに評価されたうえでおすすめとして表示されています。つまり、今皆さんの目に留まっているコンテンツは超氷山の一角なんです。
日の目を見なかったコンテンツは膨大に存在しています。ご相談いただく企業さんの採用動画でも、何十本投稿しても再生数100〜200程度という世界線はかなりあります。むしろそれが普通なんですよね。
跳ねた動画やコンテンツを見て多くの企業さんがそこを目指したいと思うわけですが、かかっているコストと得られるリターンのバランスが合っているのか。この視点が「バズの価値が下がっているのでは」という疑問の一つの要因です。
パッと撮った動画で何万再生も取れるならバズ狙いは効率的です。でも10本撮っても再生回数を取ることは難しいし、20本撮ったからといって何十万再生の動画が撮れるわけでもない。企業が動画を作って伸ばすという観点で見ると、再生回数がかなり伸びたとしても、即売上やエントリーにつながるかというと、消費者から見れば他のコンテンツと同程度の印象にしかならないのです。
企業側は「すごく伸びた」と感じても、消費者からすると他のコンテンツと大差ない見え方になるため、出した成果と消費者側の反応が期待通りにならない。その結果、続かない会社さんが多いのが現状です。
SNSは「ホームページの代わり」になっていく
今後の未来予想として、SNSはバズらせてフォロワーを集める運用ももちろん重要ですが、おそらくウェブサイト、昔でいうホームページの代わりのような位置づけになっていくのではないかと思います。
企業にとって本当に必要なのは、ターゲットに届けばOKということ。B2Cの消費財、B2B、採用、ギフト市場など、カテゴリはさまざまですが、再生回数を伸ばすことやフォロワーを集めることの難易度がどんどん上がっています。
今後は企業がそれぞれの目的に合わせて「我々はこういう目的で運用しているから、こういう数字でいい」ときちんと定義していく形になるのではないでしょうか。新規リーチをSNSでバズらせて取りに行く手法もあれば、ターゲットが見てくれる受け皿的な位置づけで月に何本か継続的に運用するという企業も出てくると思います。
本質的なゴール設定が重要
企業にとって本当に必要なことは、ターゲットの人に見てもらって何かしらのアクションが起こること。「多くの人に見てもらう」ではなく「自社のサービスや求人に関心のある人に見てもらう」ことに本質的なゴールの定義を置くべきです。
バズることにコストがかかりすぎる時代だからこそ、本質的なゴール設定が改めて重要になってきます。
実例:フォロワー100人未満でも70件のエントリー
弊社の採用アカウントでは、3ヶ月で約70件のエントリーをInstagram経由で獲得できました。しかし、フォロワーは実際100人もいません。
これはフォローして発信を楽しんでいるのではなく、ホームページやランディングページと同じ位置づけでインスタグラムを見てくれて、興味を持ってアクションしているということです。フォロー数や再生回数は実は介在しておらず、知りたい企業・サービスの情報が正しく知れることが重要な要素なのです。
まとめ
もちろん、多くの人に見てもらえることの価値は高いという前提はあります。しかし、かかるコストや競争環境の激しさを考えると、以下のような方向性が見えてきます。
- バズを狙える企業はもちろん狙いつつも取り組む
- そうでない企業は、誠実に価値ある情報を積み重ね、新規の人にリーチしやすい「ホームページ」のような感覚でターゲットに情報を届けるメディアとして運用する
- 中長期で見たときに、結果的にコスパが良い運用になる
特に価格が高い商品を扱う企業は、トレンドに乗りすぎると半年後・1年後に見返したときに古く感じられてしまうリスクもあります。ブランディングの意識も含めて、正しい情報の積み重ねで集まったフォロワーの熱量が高く、コンバージョンが生まれ、それが繰り返されるループを作ることが、今後の企業SNS運用の方針になっていくのではないかと思います。
世の中のトレンドに惑わされず、目的に合った運用方法を改めて見直すことで、顧客獲得や求人応募が集まるような本質的な運用ができるはずです。
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